【松戸市議会】国有地取得議案・否決!

昨日、臨時議会が行われました。新拠点ゾーンへの市役所移転のための国有地取得の議案が『否決』されました。

新拠点ゾーンへの市役所移転ありき

そもそも新拠点ゾーンの開発と市役所建て替えは別の話である、というのが前提であるにも関わらず、市は『移転ありき』で一連の手続きを強引に進めてきました。

狭くアクセス悪く課題山積

しかし、審査では移転候補地が狭く、アクセスも悪く、土砂災害特別警戒地域であるなど周辺の環境などにも課題があるなど多くの問題点が指摘されました。

私も討論にたち主に以下の理由から議案に反対しました。

① 移転ありきで進められていること

② 市民説明がほとんど行われていないこと

③ 移転候補地は市役所用地には不適であること

④ 新拠点ゾーン開発が松戸駅周辺の活性化につながる根拠が不明であること

などです。(最後に討論原稿を載せておきます。詳細はそちらをご覧ください。)

共産党は昨年予算にも反対

昨年3月の本国有地取得の予算案の審査では『まちづくり用地』であるとして予算は通っていましたが、共産党はこの予算案にも、「市は『まちづくり用地』と言っているが、事実上の移転のための用地取得の予算であり、この予算に賛成することは事実上移転を認めることになる」と一貫して反対してきました。(今回反対した多くの議員もこの予算には賛成しました)

本来であれば、一年前の予算提案の時に一度議会の判断を下すチャンスはあったのです。しかし、市の「まちづくり用地である」という説明を根拠に多くの会派は賛成しました。

しかしここにきて、「市役所移転のための財産の取得』の議案として提案されたため、また移転候補地は課題も多く議案は否決されました。

早急な建て替えは急務

議案は否決されましたが、耐震性のない本館・新館の建て替えは緊急課題です。一日も早く建て替えが実現すべく引き続き頑張ります。

【反対】 共産党、市民力、市民クラブ(自民党系)、政策実現・社民、立民、はじめの会  (30名)
【賛成】公明党、参政党ほか(13名)

【討論原稿(参考)】

  • 議案第4号 財産の取得について

【討論】

日本共産党のミール計恵です。ただいま「庁舎整備に関する特別委員会」委員長よりご報告のありました議案第4号 財産取得議案について会派を代表して反対の立場から討論します。

 本議案は新拠点ゾーン南側への市役所移転建て替えのための国有地取得の議案です。市役所は平成7年の耐震診断で本館、新館は耐震性が全くないことが判明し大地震の場合には倒壊または崩壊の危険が高く、市役所の建て替えは喫緊の課題であるということは論を待ちません。しかしどこに建てるかという問題が最も大きな争点でありこれまで本委員会でも議論してきました。

 市は新拠点ゾーンへの移転建て替えが最適だ、との考えで一連の事業を進めてきました。しかし移転が最適であるということについての説明は十分ではなく議会も合意していません。そこで市は昨年8月に「現地と移転の比較検討表」を作成し、そこで改めて移転建て替えの優位性を主張しました。しかしその時の委員会でも、「市が作成した比較表は公平なのか」、「第三者の専門家の視点も必要ではないか」などの指摘がなされました。しかし市は、「公平な視点で作成したもので問題はない」と主張するのみでした。

 また2年以上公表が保留にされていた、「市役所機能再編整備基本構想」が「改案」として初めて公表された今月の12日と、本議案の審査が行われた24日の2回の特別委員会ではいずれも審査は長時間におよび、移転候補地について多くの課題が指摘され、このままパブコメもやらずに「成案」として公表することへの問題を指摘しました。

このように特別委員会での議論も熟していない段階での、市の強引なスケジュールありきの今回の議案の提案には特別委員会の委員の一人として強く抗議したいと思います。そして最終的には市役所用地取得の本議案はさきほどの委員長報告の通り反対多数で否決すべきものとの結果になりました。

 そこで、わが会派としてこれまでの議論も踏まえ、本議案に反対する理由を4点申し上げます。

 まず1点目は手続きの問題です。市は新拠点ゾーンへの移転建て替えありきで「新拠点ゾーン整備基本計画」も、「市役所機能再編整備基本構想」も策定してきました。2021年12月の特別委員会では、市は委員から「市役所移転ありきではないですよね。」と確認され、「ゼロベースです。」と答弁しています。にもかかわらず現地か移転かで議会の合意も得られないまま、「移転ありき」で市役所と一体の新拠点ゾーンの区画整理事業は進め、「市役所用地」のための「国有地取得」も進めていく、最重要な決定をあいまいにして、後戻りできない外堀をうめていくような手続きの不当性が一連の市役所建て替えの最も大きな問題です。

さらに移転するのであれば、移転する際に必要な、「移転条例」を土地取得と同時に提案すべきです。このことは委員会でも多くの委員が指摘していますが市はそれにも応じようとしません。

 次に2点目は市民への説明が全く不十分であるという点です。市は市役所建て替えという多くの市民にとっても関心の高い問題についてこれまで市民にほとんど知らせていません。したがって多くの市民はこの問題を知らずに市民不在で進められているのが実態です。私はこれまでにも本委員会や本会議場でも再三市民への説明を十分に行ってほしい、と訴えてきました。

市は5月12日に報告した、「市役所機能再編整備基本構想」(改案)についても大幅に変更されているにもかかわらず改めてのパブコメすら行わず、松戸駅周辺の町会長や商店会長など一部の団体役員に説明しただけで、議会直前の一昨日急きょ公開しました。これで市民へ説明したといえるのでしょうか。

私は広報まつどや市内全域での説明会の開催などを求めてきましたが、それらはやろうと思えばすぐにできるにもかかわらず市はいまだにやる意思すら示しません。その一方で一昨日の審査では、委員から質問されると、基本構想にも書かれていないような、できるかできないか全く不透明なことを「それも検討します、あれも検討します」と風呂敷を広げ続ける様子は、いかにもその場しのぎであり市の対応としてはあまりに無責任であると言わざるを得ません。

 

 次に3点目は、移転候補地は市役所用地としては不適切である、という点です。一昨日の委員会でも多くの委員が指摘していましたが、まず用地が狭いことです。現庁舎の約15,000㎡に対して、6割弱の8745㎡です。審査では平場はさらに狭く5230㎡しかないことがわかりました。 

現在の市役所の3分の1程度の敷地に、市庁舎と立体駐車場を建てるのですから非常に窮屈であることが想像できると思います。さらには、20メートルの高台でアクセスが非常に悪い点、また出入り口が一か所しかなく、混雑時には相当な渋滞が想定されます。加えてS字道路につながる、東口のプラーレ前のバス道路ですが、幅員も非常に狭く、S字道路周辺の2か所の交差点ではバスがすれ違うことも出来ません。市の交通量調査ではここに市役所が出来ればS字道路の交通量は2500台から4000台へ1.6倍になるとされ、さらなる渋滞が起きることは想像に難くありません。そのうえこの地域には市内最大規模の児童生徒が在籍する松戸一中と相模台小学校があり、審査では地元から周辺の交通量増加に対する不安の声が上がっていることが明らかになりました。

 さらにS字道路の沿った崖は土砂災害特別警戒区域にも指定されています。災害拠点となる市役所が土砂災害特別警戒区域の上にきて大丈夫なんだろうか、とその点も非常に疑問です。こうした多くの懸念や議論がある中で早くこの土地を取得することが果たして責任ある判断として市民に説明できるのでしょうか。

 最後に4点目ですが、新拠点ゾーン開発が本当に松戸駅周辺の活性化につながるのか不明である点です。新拠点ゾーンと一体で進められている市役所移転建て替えですが、莫大な税金を投入して行われるこの開発の目的は、この開発を松戸駅周辺の活性化につなげるというものです。審査では活性化につながる具体的な根拠を求めましたが、市は「松戸駅周辺の活性化への機運を高める」と答えるのみでした。これまで松戸駅周辺は様々な活性化策を打ってきましたが、結果の検証は全くありません。

さらに松戸駅と新拠点ゾーンを結ぶ「歩行者動線」として市が整備するとしている「シンボル軸」ですが、審査では地権者との意見交換の実施のみで大きな進展はないことがわかりました。

 松戸駅東口には狭隘道路や狭い駅前ロータリー、バス停が遠いなど多くの課題があります。新拠点ゾーンを開発し、そこに市役所が移転したからといって、当然にその課題が解決され、松戸駅周辺の活性化につながるわけではありません。松戸駅周辺の活性化を進めるためにはまずは松戸駅東口が抱える課題の解決をすべきではないでしょうか。

 以上4つの角度から問題点の指摘をさせていただきました。最後にこの前提となる「市役所機能再編整備基本構想」についても問題点を3点指摘します。

 まず1点目は、「出し方」の問題です。今回「改案」が5月12日に出されました。大きな変更があるにもかかわらず、改案のパブコメは行わず、議案提案直前の公開です。国との契約締結期限が6月30日であるための、スケジュールありきの拙速な公開であると言わざるを得ません。

 次に2点目は「市民サービスの低下」の懸念です。支所の機能を拡充することに異存はありませんが、支所は現状でも手いっぱいの状況であり、これ以上機能を加えるには場所の確保など新たな対応が必要になると思います。また市はデジタル化で来庁者を大幅に削減することを目指しているようですが、市役所にとっても市民にとっても多くの情報を得るには対面にまさるものはなく、デジタル化による窓口の削減は拙速に進めるべきではありません。

さらにテレワークについては個人情報漏洩の危険の問題もあり、審査では人材育成の観点からの問題も指摘されました。またテレワーク2割の実現性は現時点では全く不明で、現に審査では市役所におけるコロナ禍のテレワークもわずか2%にとどまっていたことが明らかになりました。

 それなのになぜ市はこれらを進めようとするのでしょうか。それは市民サービスを削減しないと市役所が建てられないほど狭い土地への移転計画だからです。

 最後に3点目は、専門家の委員会である「庁舎整備検討委員会」で「議会棟、別館の活用」が答申されていますが、構想には取り入れられていないという点です。わが会派の3月議会での代表質問に対し市は答申について、「答申をもとに議会とも議論を重ねるとともに、意見を尊重して基本構想の内容を検討していく」と答弁しています。しかし今回の構想には議会棟、別館の活用はなく、議会からこれだけ問題点を指摘されていながら、それらを一切取り入れることもなくパブコメも行わず本構想を拙速に公表したことは、これも取得期限に引っ張られ、時間がなかったからにほかなりません。今回の「構想」をベースに移転前提ではない見直しを強く求めるものです。

以上の理由から市役所移転建て替えのための今回の財産取得議案には賛成できません。同時に私たち会派として、いつ起きるかわからない大地震に備え一日も早く建て替えを進めるため、土地取得も基盤整備も不要の現地での建て替えの計画を進めることを改めて求めます。そして何よりも市民、職員の命を守るため耐震性のない本館、新館については仮庁舎の確保を行うなど早急に対策を行うべきであることを申し上げ会派を代表しての討論とします。

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